Less is more

線維芽細胞（せんいがさいぼう）という細胞をご存知でしょうか。これは、肌の真皮に存在する細胞で、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を生み出す、まさにハリ・弾力の源とも呼べるスーパー細胞です。
しかし、線維芽細胞の力はそれだけではありません。今回は、シワ、たるみの救世主とも呼べる線維芽細胞の働きをご紹介します。

真皮は、肌を支える土台

　真皮はコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸といったハリ・弾力成分でできており、これらの成分が豊富に存在することで、私たちの肌は支えられています。しかし、加齢などによって真皮の状態が悪化してくると、肌を支えることができず、シワやたるみなどの肌老化が生じます。 　　　　
　真皮が悪化する原因は主に2つです。一つ目が、「ハリ・弾力成分の減少」。二つ目が「ハリ・弾力成分の劣化」です。そして、線維芽細胞はこのどちらの原因に対しても働くことができるのです。

￨ハリ・弾力成分の減少

　真皮のハリ・弾力成分は、加齢や紫外線ダメージなどによって減少してしまいます。線維芽細胞は、減少してしまったコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を生み出すことで真皮の状態を良い状態に保つ働きがあります。

￨ハリ・弾力成分の劣化

　真皮のハリ・弾力成分は、数が減るだけでなく、質が低下することでも、シワやたるみを引き起こします。例えばコラーゲンが紫外線ダメージを受けると弾力を失います。ちょうど日に当たってボロボロになったゴムホースのように、コラーゲンとして存在していても、その機能は果たせない状態です。線維芽細胞は、このように質が低下したコラーゲンを分解して、新しいコラーゲンにつくりなおす力もあります。

真皮を良い状態に保つコントローラー

　このように線維芽細胞は、真皮を良い状態に保つためのあらゆる働きを備えたスーパー細胞なのです。シワ、たるみの解決へのカギを握る線維芽細胞。私たちも、この線維芽細胞へのアプローチをさらに高めるべく、今後も研究を進めてまいります。